見浦牧場について

肉の旨味は筋肉の細胞の中にある細胞液の濃さで決まります。それは適切な食べ物（牧草や配合資料）と適度の運動にようよって生まれます。昔の牛肉は少し固いけれど、素晴らしい味でした。戦前の牛肉は、大部分が黒牛と呼ばれていた和牛で、トラクターの代わりに役牛として田畑を耕していました。そのため、発達した筋肉が付き、力強い運動により細胞液が濃くなり、濃厚な牛肉の味になったのです。

現在では役牛は肉牛に代わり、美味しさの基準がサシ（肉の中にきめ細かく入っている脂肪）の多さで決められ、人工的にサシができる配合飼料を与えながら、狭い畜舎で運動させないように飼われています。そのため、高価な牛肉ほど肉質は柔らかくなりましたが、あの濃すぎるほどの和牛の味は失われてしまいました。

見浦牧場の牛たちは、夏は広い放牧地で草を食べ、極寒の冬も戸外で寒さに耐えながら夏場に作ったサイレージを食べて過ごします。その中で生まれた仔牛たちは、母牛とともにの山を駆け回って育ち、健康的な身体を培います。放牧により筋肉が十分に発達し、濃い細胞液が生まれ、昔ながらの美味しい牛肉になります。また、極寒の冬を生き抜くために蓄積燃焼される脂身は、臭みがなくサラっとくちどけが良いのも特徴です。

見浦牧場は、サシを重視せず、世界最高と称される黒毛和種の美味を50年以上も追い求めてきました。牛肉のおいしさをしっかりと感じていただける「見浦牛」をぜひご賞味ください。